新しい夜明けへと続く道に変わるだろう

いまどきのダブルにしても超電磁砲にしても、何と言うか文芸的な志というものがまるで欠如しているよね。
ダブルとかさ、今回の話の軸として正しいのは「真倉刑事がドーパントと化した九条刑事と対面して警察としての覚悟を固める」以外に無いでしょ?あんなエピローグでさらっと流していいものじゃない。それでその代わりに出張ってきたのが照井のキャラ立てだけど、結局復讐を優先する輩を相手に、「家族の敵討ち>警察としての使命」の行動原理に揺るぎが無い男を対抗者として引っ張り出されても、そんなもん目くそ鼻くそレベルじゃないか。個人的事情を優先するのが悪いと言う話ではなく、九条綾の対戦者として照井ほど相応しくない男はいませんぜ。断末魔に「お前に言われたくないわよー」と言わせたら、もうそれだけで哀愁ではなくアホ臭い後味しか残らない展開だもの。
マッキーを起用して正しいと言えるのは、だってマッキーの「裁きは法に委ねるべきだ」という弁を貫く事こそが、溝口刑事への最大限の供養になるから、じゃないかな?下手すりゃダブルの正体が露見したとしても、それを秘密にするのも含めて警察の仕事だってあの話のマッキーなら思い至るだろう。その、恐らくは素人レベルですら思いつくだろうお手軽な素材を捨て、ああゆう話にした意義はなんだったのだろう?ただのプロモーションなら他に幾らでも手口があっただろうに。
今回の翔太郎は阿呆だし、フィリップも痒い所に手を届けて欲しかったな。
んで超電磁砲は論外レベルね!いや、俺はまだ禁書無印の御坂美琴につなげるというのなら、倫理観が腐り果てていても許容範囲内かなと思ってたんだけど、時系列で原作2巻まで消化した事が露見した以上、要求されるのはよりハードなものになるんだよ、必然的に。
ぶっちゃけ御坂は全てを暴力沙汰で解決しているだけで、あいつには信念も覚悟も、苦悩すらも無い。ランスよろしくアンチヒーローを自覚的に描くならまだ良いんだけど、あの体たらく、あの惨状を以って、スタッフ的には「まともにヒーローを描いているつもり」なのが気に食わない。
今回も次回も、日常パートは「レベル5だって普通の女の子だもん」みたいな話になるだろうけど、そんなだからわかってないんよ。要するに箱庭の中でのお山の大将って事じゃん?「私がルール」以上の主張なんて出来ないんだろう?反対者は力づくで始末する恐怖政治の一例でしょ、まさに時は世紀末。
強すぎる力を持った事で孤立していく、みたいな話にしたいなら、セリカさんみたいな哀愁の漂うシーンくらい挿入してもらいたいところ。


あーくそ愚痴ばかりが増えてゆく。ディケイドが失速したのは主に白倉と米村のせいだけど、奴らが失速しているのは発想段階で終わっているからだな。「i川さん帰ってきて!」で済まないのがあまりにも救いが無さ過ぎる。