機神大戦ギガンティック・フォーミュラ


前半見逃した。


何だろう、とりあえず言いたい事は山ほどあるんだが、全体評が難しくなるとやっぱり出来ないんだよな。
出来自体は、まぁ、言われていたほど悪くはない、エンディング絵の可愛さには素直に感激だけど。
ただやっぱり設定面で脆弱でさ、UNなんて組織があるのならそいつが統一政府に成り代われば良いじゃない、とか、白昼堂々一般市民に攻撃を加えて「紳士的」なのかよ、とか、戦闘機を堂々と使って爆撃しても良いのか、それ問題行為じゃない?、それ問題にならなかったらWWWの意味なんてないだろ、とか。
ガンダムファイトが、こういう行為を少なくとも劇中の描写として可能としたのは、地球が見捨てられた土地であるという前提があったからで、一見荒唐無稽であれ、具体的に考察するとして軍事費の多大な軽減は先進国には嬉しいんじゃないか、とか、色々、荒唐無稽でも突き通す為に矛盾点や粗は先回りして潰していたんよ、いやそれでも時間足りなくて矛盾多かったけど。
見ていて確かにGガン意識したんだろうな、と言うのは分かるんだが、正直レベルの程と言ったらロクに見もしないで先入観だけで笑い飛ばしている連中と変わらない。
嘘を嘘と言い張って突き通すだけの気概もなければ虚勢もなく、荒唐無稽さをしかし面白いと言わせるほどの話作りが出来ていない。
だから分類すると言うのなら、これはガンダムの系譜だぜよ?、いや、クオリティ的な意味じゃなくだ。
俺がガンダムをリアルロボットではないと言い張る理由は幾らでもあるんだが、その中で特に大きくてガンダムと言う作品自体に罪科を求められないものに、MSVというものがある。
俺はMSV嫌いなのだけど、何で嫌いかって、じゃあこれでぽんぽんぽんぽんMS創出して、オフィシャル設定と言う血統書を与えて世界観の中で組み込んで、するとどうなるって「そんなに大量のMSを作れるもんなん?」っつー、設定に対する疑問を呈されると、その世界観崩れるんだぜ?、ジオン公国なんて国力がないと言う設定なのにさ。
リアルロボットである事を誇りにするくせに、リアリティを現在進行形で剥奪するのかよ、それって馬鹿馬鹿しくない?、と言うのが理由。
だからガンダムの、正しくはガンダムと言う「勘違いの」系譜なんだ、本当に責めるべきなのはガンダムじゃなくてリアルロボットと言う言葉を考え出した奴です。
設定におけるリアリティって言うのは単に現実の延長線上を描けば得られるもんじゃなくて、もしその世界に架空のギミックが存在するのなら、それが存在するものとして世界を描くべきだ、と言う話。
例えばファンタジー世界では魔法が日常的に使われている、ではその魔法を戦闘目的だけでなく、炎の魔法をかまどに使うとか、そういう扱い方をする事で設定上にリアリティが生まれるんだと、架空のものであれ架空の世界で通用している概念ならば、我々が普段日常的に使用する道具のように扱っているだろう、そう言う事。
・・・まぁ、だからミノフスキークラフトを根拠にガンダムがリアルロボットだと言うのなら、それは間違いだと思わない、ファースト放送時点では少なくともリアルロボットだと言い張れるだけのものはあったと思うよ。
いやつまり、ギガンティックフォーミュラは上手い嘘の何たるかが分かってないんですわ、脚本のそこらかしこに説得力と言う説得力が欠けているのよ、ただ用語を並べれば良い、それで終始してしまっている。
単につまんないのなら良いのだけどさ、これって結局、日本ロボットアニメの歴史が抱えてきた負債に対する応酬と言って良いんだよね。
どうしよーかなー・・・、正直原作ファンから大顰蹙を買ったゼノグラシアの方が遥かに見応えあるんだけどどうよ?