アニメがつまらなくなったのは、「新世紀エヴァンゲリオン」のせいである


・・・すごいね、これ、大真面目に言ってるんだろうか。

粗製乱造といっても80年代のアニメと比べると、作画の質は段違いによくなっているんですよ。でも、企画が貧困なんです。『エヴァ』がテレビに登場してから、アニメ業界全体が『エヴァ』の呪縛の中で動いてきてしまったという弊害があります。


良くもまぁこんな大法螺を吐けるもんだよ、業界人の、しかもファースト直撃世代のクセに、いや、だからこそか。
全く・・・、80年代っつったら、ガンダムに業界全体が呪縛されて何処の会社もリアルロボット路線を打ち出しまくてた時代じゃねーか。
それで結局どうなったかって、「ガンダムには勝てないよね」と言う結論が出され、Zガンダムが作られました、と。
だからこの人の言う「エヴァの呪縛」なんてものはガンダムの呪縛の再来でしかないし、もっと言ってしまえばエヴァ自体がガンダムに呪縛されていたんじゃよ。
いったんエポックが生み出されると皆そいつを追いかけだす、というハルヒに端を発する最近の流れの原型は、自分が生まれる前に既に形成されていた訳です。

でも今年、「涼宮ハルヒの憂鬱」っていう「学園萌え」の決定版が出ちゃったんで、もうDVDの売上的にはピーク、あとは下がるだけでしょうね。


でもって、相も変わらず業界全体に影響を及ぼしているガンダムを差し置いて、萌え要素が風化するものだとは考えにくい。
みんながみんなハルヒが大好きって訳じゃないしね、ハルヒは所詮学園モノの中の一つの方向性を提示しただけに過ぎん。
決定版、なんていう論理に根拠なんか無いよ、ハルヒ自体原作はラノベだし。
最近の例を挙げるなら、ひだまりスケッチなんかは実に良い感じだと思うのだが。

それがいつの間にか、「萌え」が売れるからって、アニメ業界があこぎな商売にしてしまった。


ガンダムが売れたからって皆してガンダムを追いかけだすわ、本当ならそれ自体で完結していたガンダムの続編を作らせるだのは「阿漕じゃない」んだろうか?、MSVだとか劇場版三部作はどうなんだろ。
まったく、阿漕なのは昔からだ、ただの責任転嫁じゃないか。
「30分の玩具CM」が何を差しているのか、知らぬ訳ではあるまいに。

エヴァ』以降、本来あるべき姿から、みんな地軸が狂っちゃったんですよ。


単に「自分の思い通りにならなくて気に食わなくなった」って意味だと思いますけど。
アニメは、そりゃ中高生が見ていけばいいのだろう、けど、いい年こいてアニメを見てはいけない理由と言うのも分からないんだが。

アニメ界には『ガンダム』しかない。


どう見てもガノタです本当にありがとうございました、発言したの庵野か、庵野じゃ、仕方ないな。
・・・古くはアトム、ヤマト、と原体験となる作品は幾らでもあって、ガンダムはその中の一ジャンルに過ぎない、と言う考え方が出来ていないのだろう。
ガンダムXの高松監督は「ガンダムは確かにすごい作品だったが、それがアニメを変えたわけではない」と発言しているんですけど、庵野氏はこうゆう考え方にどう反論するのだろう?

最近の中高生はお小遣いのうち、月に5000円近くが、モバイル、パケ代で消えていくんですから、アニメのDVDなんて買えるわけないんですよ。


さっきからどうにも中高生が話の中心にいますが。
最近なら一枚100円で買えるDVDロムとパソコンもしくはDVDレコーダーがあれば、アニメなんて易々と録画できてしまうんですけど、古い家庭でもテレビと録画機能があればビデオデッキに録画できるし。
PC自体は何処の家庭にでも普及しているものだし、最近のものならテレビの機能を持っていて録画や焼き込みが出来るものもある。
それは注文の時特別に請求する必要も無い、デフォルトで使用できるし、パンフレットにもそれが使える事を明示している、当然PCを中高生が所有する必要性も無い、家族と共用なら話をつけて使わせてもらえば良い。
できないと言うのならそれは業界の問題ではなく家庭の問題だ、ガンダムエヴァや、ましてやハルヒに罪があるわけではない。
だから中高生だってその気になれば週何本ものアニメを視聴しDVDに焼いて保存する事が可能だ。
見るだけに特化するなら、実はわざわざDVDを買う意味はあまりない。
あるとしたらやれガンダムだのやれヤマトだの、放送されていない作品を見る時か、あってもなくても良い映像特典や初回版目当ての時くらいだろう。
ちなみに古い作品ならレンタルでだって見れる、大月氏は手段を限定しているが、作品に触れる手段は幾らでもあり、経済的な負担を極めて少なくさせ、尚且つ著作権的にも問題無い方法は誰だって取れる。
(究極的にはようつべな訳だが。)
ぶっちゃけ、一本何千円もするDVDなんてのは根本的には、こういう発言をしている人間の為にこそ存在しているものなのである。
それにアニオタ自体、中高生にも多数いる。
俺と同い年か少し下でも、環境次第ではDVDを買って来れるし、そうでなくても前述の手段で富野ガンダムなどの有名作を抑えている人間は幾らでもいるぞ。
萌えアニメも数は限られるが中高生のものだ、むしろ30代〜40代なんて萌えアニメを否定している奴らばっかりじゃないか。

エヴァ以降、作品づくりよりも、「やれ興行収入が何億円だ」、やれ「会社が上場して、株価がこれだけ上がった」ということばかり気に書ける人が、アニメ業界に一気に増えました。


馬鹿を言っちゃいけない、日本という国に於いてこういう状況はまさに文化へと昇華する階段だ。
宮崎アニメが何故本業の声優を差し置いて芸能人を起用するのか?
それは宮崎アニメが世界や日本に認知される「文化」であるための最低限の代償だからだ。
作品評なんて作品づくりや作品としての成否云々よりも「それを作った人間は何を作った、誰の弟子だ」という二次的な要素がむしろ大きく影響している。
知名度こそが作品の明暗を分ける要素であり、作品としての出来も、クリエーターとしての技量云々も、知名度の前では妄言に過ぎない。
仮に同じ発想だろうと、富野氏のそれと福田氏のそれでは反応が全く違うと言う二重基準が公然と行われる、それが日本という社会の枠組みなのだ。
こういう状況で、製作現場が切迫していようが本気になれる人材と言うのは非常に少ない、作風ではなく、年季の違いが絶望的な距離を空けてしまっている事を大月氏は分かっていない。
ガンダムを見れば分かるだろ、どれだけ旧作からの脱却を図ろうとしたってその行為自体が踏みにじられるのだ。
それでも種が主流の半分に立てる分、まだ健全と言えなくもない。
ただ。

庵野さんも、貞本さんも、鶴巻さんも、みんなやる気満々で、楽しそうで、僕がこの12年間、たくさんのアニメに関わってきた中で無かった感覚がこれだなって思いました。


こんな事を言えるのはアニメの黎明期に携わり、相応の知名度と実績を持てる事が出来た人間だけだ。
ガンダム製作時のある種の反骨精神なんてものも、エポックと言う名の偶像が定着し、絶対的なものとなってしまった現在では生まれにくい。
若手はガンダムに逆らう気なんて起こさないし、逆らう事が罪だとも考える。
ただそれは、「だから、アニメ業界衰退の罪はガンダムにあるんだよ」と言いたい訳じゃなく、結局大月氏のような世代の人間が、エポックをぶっ潰そうと言う気概を賞賛するどころかむしろ否定してしまったから衰退が始まった訳で、
少なくとも萌えアニメというある種新しい表現技法を否定してしまっている時点で、こやつらは自分達の言う「罪」に加担してしまっているのだ。