洒落にならない話について。


あ、今回のエントリにオタはぜんぜん絡みませんので。
前半とは打って変わって本当真面目な話。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070306-00000021-maip-soci


えーと、とりあえず最初この事件が報じられた時はそんなに関心を持てない、というのが正直なところでした。
浪費されるニュースの一つ、として処理するのが、恐らく最も正しい選択なのだろう。
犯罪は確かに許されない事だけど、所詮外様に過ぎない人間が被害者の立場について知った風な口を利くのも加害者を哀れむのも大嫌いだから。

「(広汎性発達障害の)アスペルガー症候群で、当時は精神病様状態にあった」


こんな洒落にならない一文が出てくるまでは。
まず最初に日本における裁判の傾向として、法律上曖昧な判断を下さざるを得ないようなケースの場合過去の判例に従うことが多いです。
次に責任能力について。
よく「加害者は責任能力が無いから」という理由で刑の軽減を求める事がありますし、今回もそのパターンなんですけれど、
こういった弁護の場合、意訳は「悪い奴じゃないんだから罪を軽減してやれよ」なんて殊勝なものじゃありません。
「こいつには真っ当な社会生活が出来ないからとりあえず病院放り込んでおけ」というのが正しい意訳です。
少年犯罪である場合は除きますが。
さて件のアスペルガー症候群についてですがこちらはウィキを参照の事。


・・・さて、その上で自分の意見を。
今回の判決の何が問題であるか、それは勿論アスペルガーである事を理由に刑罰を軽減してしまった事である。
この意味はさっき言った言葉を参照してもらえれば分かると思いますが、要するに法的な部分でアスペルガーは真っ当な社会人としての責任能力を持たない、言い換えれば社会人と認められるだけの能力を持たないという判が押されてしまったんですよ。
要するに病人扱いですわ、アスペルガー患者がどれほど頑張ったところで、健常者との間に明確なボーダーラインを引かれてしまう。*1
ある意味差別階級ですよね、それに刑罰を軽減されるなんて特権階級みたいなことをされれば、差別してくれと言っているようなものですし。
実際にアスペルガー症候群に定義されている人たちは社会の中で生きていけないのかといえばそんな事は無い。
少なくとも大多数は社会人として求められるものを満たしている筈なんですよ。
差別される謂れも、特別扱いされる謂れも、ましてや社会人としての能力が欠如しているなんて法螺を吹かれる謂れも無いんです。*2
正直とんでもない情状酌量だと思いますよ、こんな逆差別は被害者も加害者も、誰も幸せに出来ない。


だから自分は今回の事件に関して、被害者側には絶対に控訴してもらいたいし、高裁ではアスペルガーだからといって罪を軽減するのではなく一人の社会人が犯した罪として、加害者の責任能力を認め厳正な判決を下すべきだと主張する。

*1:実際、アスペルガー患者は健常者と障害者の間に立っている、だからこの問題は非常にデリケートなのに・・・。

*2:言っておくが障害者は「人間ではない」と主張したい訳ではない。ただ知的障害を抱えている場合多くは社会において人格が認められない場合が多い、自分はそれが一番恐ろしい。