Really? Really!


 今度は努めて、平静にレビューしようと思います。
思いますが、やっぱりひたすらに緑が鬱陶しかった事が第一印象、残念ながら。
正直そんなに必要な役割だとは思えない。
だって緑のやっている事は全部桜がやってしまっても不自然ではないし、大体そんな事より話の骨子はどこにあるんだよ、としか。
 原因の発端であるプリムラが、楓の過去に踏み込む事で「家族」の意味をより鮮烈に浮き彫りにする、とかなんとか、色々掘り下げる面はあるのではないかね。
特に土見ラバーズの主に神と魔族な二人組みは全く知らない、完全な異世界としか思えないような二人の過去に踏み込むことにはそれだけで相当な意味を持つ。
主観が稟で、先導役及び解説役が桜というのもありだろう。
特に楓同様献身的な性質を持つネリネの場合、楓の内面に存在するもはや狂気の域に達した依存と献身の根元を知る事は相当な衝撃を与えるだろうと思うし。
 ぶっちゃけ、中学の頃の話は仲直りしてからの事しか知らないから過去に完璧に踏み込めないし中途に真相を知っているので過去を知っても衝撃を受けず、事の発端でもなければ「家族」と言う拠り所に意味を見出そうとするでもなく、持ちえる要素全てが中途半端なお陰で話を盛り上げるのに必要な要素が全く欠如している緑が出しゃばるのはひたすらに不愉快だったな、としか。
正直そんなに緑を使いたいのなら、もう一度ネリネのファンディスクでも作るか、それこそ自身のファンディスクを出して実験体3人のエピソードを完成させればよかったのだよ。
そうすれば俺だって見事に回避できたんだ。
(関係ないけれど、楓の精神世界での出来事は全て楓の記憶を基に作られており、内部での発言者は最終的には楓自身と言うことになる。
なら何故亜麻さんは実験体についての詳細=自分もまた実験体である事を知っているとか思わせぶりな事を言えたんだ?
楓が知らないなら、精神世界での亜麻は実験体ではない事になる。)
 ただ、楓様視点から思い出を見ると見事に緑が消滅していて驚き。
何度か見返すとそう出番も多くないみたい、と思う、たぶん。
 ・・・というか、何度もやっていて本当思うんだけど、楓様は黒くなくても普通に可愛くねーかと。
なんか普通に萌えていた、黒くなくても愛してます、楓様。
 無印の頃の楓様がそんなに肌に合わなかったのは結局清くありすぎたからで、
リアリアはそりゃアニメ版の影響受けまくりのお陰で楓様の人格に黒い部分が適量に装填されたお陰でキャラ自体に相当な味が出たと思う。
特に事故に絡んだ嘘のシーンはやりすぎ感が溢れていたな、曲の名前が「Cutter Knife」って誰だこのタイトルつけたの?
アッチョリケ先生か!?、なんてハイセンスなんだ!
 もっともそのシーンにしろ、その後の嘘がばれるシーンにしろ、幾らか脚色しているとはいえ大体がアニメ版と同じなお陰で幾分か薄くなってしまっていた。
 ただ、エンドレスで「ごめんなさい」と呟き続けるのはアニメ版と同じなんだが、アニメ版と比べ感情を強く入れる事で楓様の壊れた部分を押さえている。
個人的にはこちらの方がより美しい「黒」だと思う。
感情を込められない人間は人間外という意味で壊れている、そんな自我と定義できるようなものも壊れた奴が愛のためにも、ましてや自分のためにも動ける訳無いので、出すべき所ではきちんと感情を出さなければ正しく「狂った人間」は表現できない。
収録の際あご先生が指示したのかゴトゥーザ様のアドリブか知らんがモノが違うぜ。
 とにかくリアリアの見所は「嘘」「真実」の2シーンに突き詰められるし、ここに至るまでをどのように見せるのかが非常に重要な課題であったのだが、緑なんかいなくてもこのような構成では下手に出たままだったと思う。
・・・しっかし、エロゲのアニメ化でアニメが原作の影響を受けるのなんて当然だが原作がアニメの影響を受けると言うのは非常に希少な現象で興味深い。
(余談だが、楓が精神に異常をきたしている、っていうのは自分から見れば無印からなんだよな。
少なくとも笑顔ではっきりと他人の世話をする事を「生きがい」と即答できる人間は相当な依存心を持っていて、依存心と言うのは往々にして狂気と隣り合わせだったりする。
無印で楓がそう見えなかったのは、自分が選ばれなかったら素直に身を引く事も含めて全て受けきってしまった事に起因している。
「自分には資格がない」という考えが相当に浸透していたからだが、その根元はアニメ版の発狂と同一のものだと分かっている人って少ないんだろうなぁ。)
 しかし、チクタクと違って本当扱いに困るんだよなぁ、このファンディスク。
 チクタクだったらまずネリネエンドを見てからにしろ、で済むのだが、リアリアの場合無印をプレイしなければ理解不能だろうし、
無印を先にやっても楓の言動にいまいち説得力がもてず後でリアリアをプレイすることで事後確認的に説得力を感じる、と言うのがベターな選択となってしまう。
素材自体はとんでもなく極上なのだが・・・。
 正直、今すぐSS書けと言われたら真っ先にSHUFFLE!を題材にします。
それほどにSHUFFLE!の世界は面白い、楓様に絞るだけじゃあなく色々と足りない要素があって、それを補う作業は楽しい。
Gガンダムは逆に難しい、0083やら08MS小隊やらと同質のモノを書くのは自分の性に合わず、かといってSHUFFLE!のように各キャラクターの深部に踏み込むシナリオと言うのが想定し辛い。
一応、ハンスとチコという二大シスコンが居られるのでネタはあるにはあるのだけど。)



さて・・・、今度はシアのファンディスクだ、頼むから可哀想な扱いをしないでくれ。